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特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅰ)
文献概要
腹部内臓領域で,肝胆道系の疾患は実地臨床上必ずしも診断の容易でない場合が多く,なかんずく外科的療法の対象として重要な地位を占める肝癌に対し,近時,肝広汎切除が軌道にのつて根治的治療の途が開かれ1),その早期発見が強く要望されているが,肝癌の臨床症状は種々様々で,特異的な検査法もなく,初期には,その殆んどすべてが診断上の困難症であるといつても過言ではない.
また,外科療法でも手の届かぬことが多く,治療に頭を悩ます疾患として肝内結石症が挙げられる.他方,黄疽をきたす病因も多種多様で,先天性胆道閉塞にもとずく黄疸と非常によく似た臨床像を呈する乳児の遷延性黄疸には,いろいろの原因を有する疾患が包含され,その鑑別診断も実際には容易でなく,治療法の選定に迷う症例も少なくない.
また,外科療法でも手の届かぬことが多く,治療に頭を悩ます疾患として肝内結石症が挙げられる.他方,黄疽をきたす病因も多種多様で,先天性胆道閉塞にもとずく黄疸と非常によく似た臨床像を呈する乳児の遷延性黄疸には,いろいろの原因を有する疾患が包含され,その鑑別診断も実際には容易でなく,治療法の選定に迷う症例も少なくない.
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