臨床外科17巻6号

1962年06月発行

特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症（Ⅰ）

先天性胆嚢胆道奇形

著者： 岡宗夫¹

所属機関： ¹関西医科大学

ページ範囲：P.519 - P.522

　「先天的な奇形が原因で診断に苦しんだ症例」として，比較的珍らしい胆嚢，胆道の奇形の2例を述べる．
　先天的な奇形がありながら，全然障害を起さないものは沢山あるが，その奇形臓器に病変が起つた場合，正常の場合とは全く異つた病相を呈することは当然のことであり，「医者泣かせ」ともなる訳である．第1例がそうした症例である．