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文献詳細

雑誌文献

臨床外科17巻8号

1962年08月発行

文献概要

特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅱ)

胃炎出血

著者: 浜口栄祐1 宮川兜1 星子直躬1 野中拓之1 平間栄生1 松尾泰伸1 松崎淳1 宮永忠彦1 山上明倫1 畑宏1 牧田憲太郎1 山田栄一1

所属機関: 1東京医科歯科大学

ページ範囲:P.817 - P.826

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 上部消化管からの急性出血が問題にされるのは,出血源の診断がしばしば困難であり,また出血が時に致命的でさえあるという事実に依つている.
 それまで全く無症状に経過していた者に突如として吐血,あるいは失神を来す程の下血が現われ急激にSchock状態に陥入るような場合も少なからず経験され,Schock状態の改善に努力しても余り効果が無く,緊急手術を余儀なくされる場合には,術前の診断が不確実なまま手術を行うことになるが,幸いに輸血・輸液または止血剤の投与などによつて状態が改善され,その後,充分に出血源の検索を行うことが出来た症例においてさえも,術前に正確に出血源を診断し得ない場合が決して稀ではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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