文献詳細
特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅱ)
尿道下裂
著者: 原田直彦1 福山和宏1 福住弘雄2 服部洋2 佐々木巌1 森本譲1 朝倉保1 大西確次郎1 西崎登1
所属機関: 1大阪市立大学 2大阪市立大学大学院
ページ範囲:P.909 - P.916
文献概要
尿道下裂は比較的少ない奇型であつて,男子300人に1人位の割合に認められる疾患である.この奇型は外尿道口が異所的開口したものであつて,開口部の位置によつて第1図のごとく,会陰部,陰嚢部,陰茎陰嚢部,陰茎部さらには冠状溝部等の尿道下裂(perineal-,scrotal-,penoscrotal-,penile-,glandulal-hypospadia)に分けられる.
この疾患は診断の点では全く問題はないが,治療上複雑な要因があり,Diefenbach(1836)以来多くの治療法が発表されてきたことはこの疾患の治療が難しいことを物語つている.
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