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紹介
—Martini, G. A. & Hafter, E. 編—Leber-und Pankreas-Enzymologie
著者: 渋沢喜守雄
所属機関:
ページ範囲:P.1017 - P.1018
文献購入ページに移動 Gastroenterologiaの別集Bibliotheca Gastroenterologica第4集,1960年秋のスイスおよびドイツ消化器学会のシンポジウムを内容としている.本誌でちようど酵素が取りあげられるので,本書のごときは,まさに好箇の参考資料になろう.まずはじめに,Bern大学生化学Aebi教授の消化器病学における酵素問題のイントロダクションがある.短い史的考察,酵素の構造,酵素の作用,酵素活生測定における方法の意義などが例をひいて述べられている.基礎医学が臨床を無視して立つているのではない.肝臓の酵素的診断の生理方面はSchmidt夫妻(Kassel内科)で,主にGOT,GPT,GSH,aldolaseなどについて,いくつかの肝疾患における血清濃度のパターンがのべられている.個々の酵素についていえば,いくつかの疾患でオーバーラップがあり,変動があるがいくつか組みあわせると鑑別に役立つパターンがみえる.たとえば急性肝炎または急性再燃時には,GOT,GPT,GSH・アルコール脱水素酵素(ADH)が著明に血清に増加し,乳酸脱水素酵素(LD)・aldolase・グリセリンアルデヒド脱水素酵素(GAPD)はわずか増加,pyruvatekinase(PK)はむしろ低下する.これに比して,肝性昏睡ではLD,ald,GAPDなどが著明に増加し,PKが急に上昇する.といつた工合である.
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