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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻1号

1963年01月発行

文献概要

「臨床外科」刷新の辞

著者: 「臨床外科」編集同人

所属機関:

ページ範囲:P.4 - P.4

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 「臨床外科」が戦後の荒廃のさなかに発足してから,今日にいたるまですでに17年の歳月を経過した.最近の外科学の進歩は生理学・生化学・薬理学・病理学などの基礎医学の進展に支えられて瞠目に値する飛躍ぶりである.しかも明日の外科学は,ただに基礎医学の成果を摂取するに止まらず,工学・理学関係の隣接領域にもわたつてその成果を積極的に採り入れてゆくことになる.人工臓器の進歩発達には,そのような領域における成果がものをいうことであろう.
 如上の事実は,外科学の進展が隣接科学や基礎医学の進歩の土台の上に構築されている面のあることを認識させるものであるが,そのことをもつて外科医が隣接科学や基礎医学の分野に身を挺する要請にはならない.外科は臨床の学問体系であり,あくまでも臨床の場においてその成果が問われなければならないからである.外科医に要請されることは,今日の診療の進歩にふさわしい知識を各方面から摂取してそれを臨床の場に生かしてゆくことにほかならない.今日と明日の外科医に要請される開眼は,そのような問題意識を持つた学問的情熱である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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