文献詳細
論説
文献概要
はしがき
近来における世界的共通現象である人間の平均寿命の延長は社会における老年者の占める割合を増し,必然的に外科の対象となる老年者をも増加せしめた.患者数の増加と共に老人医学も年々と隆盛となつてきたが,外科におけるこの方面の研究は未だその緒についたばかりである.
Brook (1937)1),Bradford (1953)2),Cole (1953)3),Stewart (1954)4)は青壮年患者に比べて老年者は手術死亡率,術後合併症が高率であつて呼吸循環系の合併症が重要な死因となつていることを指摘している.老年者手術にあつてはもちろん冠硬化,高血圧,動脈硬化,肺気腫等が合併症の重要な基盤となつていることは当然考えられることである.
近来における世界的共通現象である人間の平均寿命の延長は社会における老年者の占める割合を増し,必然的に外科の対象となる老年者をも増加せしめた.患者数の増加と共に老人医学も年々と隆盛となつてきたが,外科におけるこの方面の研究は未だその緒についたばかりである.
Brook (1937)1),Bradford (1953)2),Cole (1953)3),Stewart (1954)4)は青壮年患者に比べて老年者は手術死亡率,術後合併症が高率であつて呼吸循環系の合併症が重要な死因となつていることを指摘している.老年者手術にあつてはもちろん冠硬化,高血圧,動脈硬化,肺気腫等が合併症の重要な基盤となつていることは当然考えられることである.
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