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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻1号

1963年01月発行

検査と診断

腸管の新しい診断法—診断用腸紐

著者: 斉藤淏1 大江国雄1 金内秀士1 加藤富三2

所属機関: 1日本医科大学斉藤外科 2日本医科大学放射線科教室

ページ範囲:P.95 - P.102

文献概要

 癒着腸管の処置の困難さを思うとき,その診断,すなわちその存否と状況を詳細に知ることの必要性については今さらいうことはない.われわれは臨床的観察のほかにBaによるX線検査にたよつて来たが,多くのばあいそれでよかつた.たまたまイレウス管を使用して癒着性イレウスの解除されたとき腹壁に癒着固定している閉塞部をイレウス管の走行によつて明らかにし得ることを知つた.そこでとくに診断用の目的で特殊な腸紐を発表し(昭和35年),その後多数の臨床経験をつみ.今日では大方の試用をすすめてよいと考えるに至つた.ここに得られた経験例の一部をかかげて解説する.本検査法によつては癒着固定された腸管を発見し,その部位をも明らかにすることができる.また腸管の走行と腹腔内の位置を明確にするので腸吻合などの行なわれているばあいにはその発見と腸内容の移動状況をも知るにも役だつことがある.これに関連した2,3の興味ある症例をもかかげることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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