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雑談室
ソ連の医療制度
著者: 石垣堅吾1
所属機関: 1代々木病院
ページ範囲:P.102 - P.102
文献購入ページに移動 今回,ソ連医学アカデミーの招待でソ連医療の見学をする機会をえた.ソ連医療制度の特長を一口でいえば,全国民を対照とした.無差別,平等の医療が無料で行なわれることを保証していることといえます.すなわち,全国民は,各職場毎に,その他は地域別に,必ず担当の診療所に登録され,ここで無料の医療が受けられる,例えば,私の見た“モスクワ中央鉄道員診療所”はモスクワ地区の鉄道員およびその家族5万入を対象とし作られた.全科外来診療所で,病気のあるなしにかかわらず,全員の病歴が中央カルテ室におさめられています.外来診療所といつても,綜合病院の外来を分離したようなもので,広大な物療室,人院室まで持つています.午前9時から午後8時までの診療時間を,医師150名が,6時間交互で勤務していました.医師の勤務時間の半分は外来ですが,あとの半分は担当した国民の,予防接種を始め各種の予防活動および定期の健康診新に当てられます,すなわち,ソ連の第一線の医療機関は,疾病治療とともに,担当地域の予防活動の責任を負つているわけです.このように,治療と予防が統一化され,一本の機関で行なわれているのは,資本主義社会ではみられない特長です.しかも,これらのすべての活動は全部無料で行なわれています.
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