文献詳細
特集 整形外科症例集
文献概要
緒言
骨腫瘍,就中悪性骨腫瘍においては,僅かの外力により,四肢長管骨にしばしば病的骨折を惹起し,治療・看護などに難渋することがある.従来は対症的に処置され,原発性の場合は切断術,関節離断術が施行されるが,転移性の場合には適応がないのが普通である.かかる病的骨折の患者に与える苦痛は一通りでなく,殊に悪性腫瘍の場合には髄内固定を行なうことにより,腫瘍の血中散布を助長する点で問題があるにしても,患者の苦痛を軽減するためには,あえて固定を行なわざるを得ない症例も少なくない.かかる目的で腫瘍による病的骨折に対して骨髄内固定を行ない,極めて早期に疼痛を軽快せしめ得たので,私達の経験した症例について報告する.
骨腫瘍,就中悪性骨腫瘍においては,僅かの外力により,四肢長管骨にしばしば病的骨折を惹起し,治療・看護などに難渋することがある.従来は対症的に処置され,原発性の場合は切断術,関節離断術が施行されるが,転移性の場合には適応がないのが普通である.かかる病的骨折の患者に与える苦痛は一通りでなく,殊に悪性腫瘍の場合には髄内固定を行なうことにより,腫瘍の血中散布を助長する点で問題があるにしても,患者の苦痛を軽減するためには,あえて固定を行なわざるを得ない症例も少なくない.かかる目的で腫瘍による病的骨折に対して骨髄内固定を行ない,極めて早期に疼痛を軽快せしめ得たので,私達の経験した症例について報告する.
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