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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻11号

1963年11月発行

文献概要

MEDICAL NOTES

Zollinger-Ellisn症候群,他

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所属機関:

ページ範囲:P.1433 - P.1434

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 本症は周知のようにZollinger-Ellison (Ann.Surg.142:709,1955)の記載に始まり,非典型的な部位に多発性に生じて難治の潰瘍,胃液ことに塩酸分泌の著しい亢進,膵ラ島腫なかんずくnon-β,non-insulin-producingのラ島腫を三主徴とする症候群である.さて,ラ島腫があり,胃液分泌亢進があつて,高度,慢性下痢を主徴とする患者があり,Z-E症候群の1/3は高度慢性下痢を伴ない,さらに全く潰瘍なしに下痢だけを呈する患者が10%ほどはある(Cha-rles, B.:Canad.Med.Assn.J.82:579,1960).下痢は水様大量,血液をふくまず,しばしば脂肪便を伴なう.ふつうの止痢療法には頑強に抗し,ついに水分電解質欠乏を来す.腹部膨満・低K血症が主なる症状である.下痢は胃酸が大量に十二指腸・小腸に入つて,膵酵素,腸酵素を破壊するためらしい.胃液を十分に吸引すると,下痢は改善する.(Donaldson,R.M.:New Engl.J.Med.257:965,1957).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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