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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻12号

1963年12月発行

文献概要

特集 血管外科 論説

上腕動脈閉塞症—特に職業と関連性を有するものについて

著者: 木本誠二1 和田達雄1 上野明1 菱田泰治1 松本昭彦1 村上国男1 粟根康行1 若林明夫1

所属機関: 1東京大学医学部木本外科教室

ページ範囲:P.1487 - P.1494

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緒言
 四肢末梢の動脈閉塞性疾患はすでに多くの人々によつて究められ,またその一部のものについては治療法が確立せられている1-7).しかし一方において,内腔のある1本の管すなわち動脈という簡単な器官の,結果的には極めて簡単な閉塞という一つの疾患であるにもかかわらず未だにその本態が不明のものが多くあり,治療法に至つては永久的な方法として認められるものの極めて少ないのが現状である.
 Raynaud氏病,Acrocyanosisなどに代表される機能的原因による動脈疾患や急性動脈血栓症,塞栓症,動脈硬化性閉塞性疾患などの病因の明らかな器質的な動脈閉塞性疾患はよいとしても,明確にこれらのものと決め難い場合にはその病因を云々することは非常に困難でありある場合にはタブーでさえある.例へば弓部大動脈から起る太い動脈の起始部の侵される大動脈弓症候群についてはその原因はおろか組織学的所見についても確然としたものが得られていない現状であり7-13),治療法も確立されていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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