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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻12号

1963年12月発行

症例

内服ペニシリンによるシヨツクの1例

著者: 池尻勝1 中田嘉則1 永井彰1 伊崎駿1

所属機関: 1戸畑市立病院外科

ページ範囲:P.1543 - P.1544

文献概要

緒言
 ペニシリンは,化膿性疾患の治療に一時期を劃したものであつて,その卓絶せる効果と,副作用の殆んどないこととによつて広く用いられてきたが,1951年頃よりペニシリンショックが多発するようになつたため,その優秀なる治療効果にもかかわらず,しだいに使用されなくなる傾向が現われた.しかし,一方には,ペニシリンの安全な投与法として内服ペニシリンへの要望も強まり,ペニシリン使用初期において試みられた内服ペニシリンが再び脚光を浴びることとなり数社より発売され,これによつて従来のペニシリンの副作用は大幅に減るものと期待された.そして,内服ペニシリンの効果は,夙に,石山らを始め,多くの臨床家の検索によつて認められてきたが,また,石山らは,すでに「……副作用については,まだ経験するところが少ないが,従来注射ペニシリンに対して行なわれたような注意を全く除外して考えることはできない」といつている.
 事実,その後,内服ペニシリン,ペニシリン軟膏,同腟坐薬,同ネブライザー等による重篤な副作用が散見されるようになつた.われわれも,最近,内服ペニシリンによるショックの1例を経験し,幸いに,重篤にいたらず治癒させえたのでこれを報告し,諸賢の御参考に供したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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