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多腺腺腫症,他
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ページ範囲:P.1561 - P.1564
文献購入ページに移動 人体多腺腫症の自験4,文献報告69の所見を,自験のイヌ(1),ラット(2),サル(1,これは文献に最初の例)の多腺腺腫症と比較した.人体本症の臨床所見・検査所見をくわしく知ることは本症治療上もつとも重要だが,実験動物の本症が全く未開拓なのではなはだ不便であつた.このイヌは糖尿病・下痢・多尿あり,多発性のosteitis fibrosa cysticaあり,腎に石灰症・硬化症,全身の転移性石灰症あり.ラット臨床症状取つてない.サルは消化性潰瘍・上記の腎変化・骨変化あり,上皮小体・ラ島・下垂体,副腎,甲状腺,卵巣に腺腫ないし過形成があつた.腺腫の組織像はリボン型で,本症にpathog-nomonicであるが,人体の方が動物より一層典型的に出現する,つぎに過形成はnodular hyperplasiaあるいはadenomatous hyperplという形態で,人体動物ともに共通するが,上皮小体ではdiffuse hyperplということもみあたる.こうした構造が多くの腺に多発してくるのが人体動物ともに共通した所見である.そして上皮小体が大きく腫瘍状となると,骨Recklinghausen病・上皮小体機能亢進症状が前景にでてくるのが普通であり,下垂体腺腫が大きいと末端巨大症状が前景にでてくる.ラ島腺腫症で過インシュリン症がめだつているときには,末端巨大症や上皮小体機能亢進症は背景に没している.
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