文献詳細
統計
手の外傷の統計的観察—産業災害防止の立場から
著者: 荻原一輝1 端野博康2 井上昌則2 花岡道治2 富永純男2 加古誠2
所属機関: 1神鋼病院整形外科 2神鋼病院外科
ページ範囲:P.202 - P.209
文献概要
1.産業災害に関する統計は,今までにも極めて多く発表されており,枚挙に暇がない.しかし災害原因についての統計は,将来の災害防止対策に役立つものでなければならないが,この目的が必ずしも明らかに現われていないように思われる.
2.もちろん災害の発生には色々の原因(あるいは条件)があり,しかもその多くはこれらの条件の「つみかさね」によつて発生していると考えらる.したがつてその調査,整理は極めて困難であり,個々の資料の十分な整備とそれを裏づける実験を根気よく行なつて対策を樹てる必要がある.従来の報告はこの困難なことを聊かも考慮することなく,単に条件と老えられる項目を列記するだけで,項目自身の整理,成績の検討も不十分である.これらの中から想像による結論を述べたとしても、これは災害の実状を正しく示していないのみならず,安全対策の上に全く役立たないかあるいは誤つた対策を樹てさせる危険がある.
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