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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻3号

1963年03月発行

文献概要

論説

癌末期の激痛—神経プロックによるその対策

著者: 若杉文古1 大熊佳晴1 牧康次1

所属機関: 1東京大学麻醉学教室

ページ範囲:P.319 - P.328

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Ⅰ.まえがき
 癌の疼痛対策としては癌そのもの,あるいは合併症に対する治療により疼痛を軽減する方法と単に痛みに対する対症療法がある.癌末期の疼痛に対しては後者が極めて重要になつてくる.従来用いられている対症療法としては一般薬物による方法が圧倒的に多い.然し癌末期の激痛に対してこの療法は無効に終ることが多い.殊に麻薬を使用しなければならないような状態になつてからも,症状がかなり長期にわたることから習慣性は常に考慮しなければならない.したがつて一般薬物療法においては不十分な薬量を用いて効果のないまま申訳的に治療の行なわれている場合が多い.
 ところがこの一般薬物療法と共に考えられる方法に疹痛伝導路の遮断がある.この場合外科的遮断の方法は癌末期のpoor riskのために極めて制限される.かかる場合神経ブロックによる伝導路遮断はその方法卜技の選択によつては極めて効果的である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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