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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻3号

1963年03月発行

論説

Mucoviscidosisについて

著者: 鈴木礼三郎1 高橋希一1 大内博1

所属機関: 1東北大学医学部桂外科

ページ範囲:P.329 - P.335

文献概要

 膵臓の疾患—その器質的および機能的の一が単に消化吸収の面の失調を来す許りでなく,全身的,系統的な変異,異常を色々ともたらすことはよく知られている.しかし膵臓の病変を確実に速かに見極めることは必らずしも容易でなく,例えば慢性の膵炎が臨床上診断が困難であつた例とか,膵癌の早期診断がつかずに末期になつて始めて診断がついた例とかは枚挙にいとまがない.これは膵疾患を速かに確実に診断つける検査方法が限られた小範囲のものでしかないことが多いことにも理由があるわけである.同様にある病的な症状が膵の嚢胞性線維症に由来しておるような場合でも,膵以外の器管例えば肺などにおいての二次的な合併症が主体をなして臨床家の注意が膵に向けられずにすまされることも少くない.これらのことは膵臓疾患の特異性ともいい得ることであり,医家としては常に膵疾患の存在を頭に入れておかねば思わぬ誤りをなしてしまうことも起り得るのである.この膵疾患の中の一つに最近Mucovisci-dosisなる一寸耳新しい言葉も時折見受けられるが,その特異な臨床像はある意味では古典的な周知のことであり,ある意味では極めて新しい事柄を含んでおるので,これについての概略を文献的にたどつて見たいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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