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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻3号

1963年03月発行

論説

合成副腎皮質ステロイドホルモンによる消化管出血,穿孔の危険について

著者: 斉藤純夫1 中村和雄1 三浦健1

所属機関: 1東京大学医学部木本外科教室

ページ範囲:P.349 - P.355

文献概要

Ⅰ.まえがき
 副腎皮質ホルモンが臨床的に使用されてから,10数年を経過し,現在その適応範囲は臨床各科におよんでいる.外科領域でも手術前後の副腎機能低下症や急性副腎不全症に用いられた頃から比較すると,合成ステロイドホルモンの種類・適応も拡大してきた.一方,使用量・力価の増加に伴い種々の副作用が現われる.肥満・満月様顔貌・食思亢進・肝肥大・多毛・浮腫・血圧上昇・多汗・痤瘡・糖尿.筋弱・脱毛・精神神経症状・病的骨折・性腺機能異常・血栓形成・腎機能障害・消化管出血・潰瘍穿孔・甲状腺機能低下・下垂体副腎不全などが合併症状とされる11).これらは使用ステロイドの作用が単一でなく,糖質作用・電解質作用・抗炎症作用・蛋白異化作用・抗アレルギー作用などの複合であるため,作用効果が合併してくるのである.こうした弊害を除くため,最近の合成皮質ステロイドは抗炎症または抗リウマチ作用など単一作用の強化が進められ,dexamethasone,paramethasoneなどが出現した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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