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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻3号

1963年03月発行

研究

Pylen meshによる人工胸壁および腹壁の実験的ならびに臨床的研究

著者: 阪口周吉1 山田公雄1 天晶武雄1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科学教室

ページ範囲:P.363 - P.369

文献概要

 従来,腹壁,胸壁,横隔膜など体腔を境する組織の欠損に対する補填修復のためにいろいろな材料が用いられてきた.古くから最も広く用いられたものはいうまでもなく筋膜,硬膜,皮膚などの自家組織移植であり,異物反応が少ないという点では最も理想的なものであるが,組織欠損の大きい場合,伸展による修復の破綻,内圧に対する抵抗力が弱いこと,また移植片採取のために他の身体部位を傷つけねばならないほどの欠点がある.これらの短所を補うものとして,近年TantalumGauze1)-7),Stainless steel mesh8)9)などの金属網.さらに合成線維網としてNylon10)-14),Orlon15)Dacron16)17),Teflon18)19)などが相次いで採用され,これらを利用した補填手術が実験的あるいは臨床的に次々と報告されている.しかし金属網は感染には強いが生体に与える刺激が強く,また柔軟性に欠け、移植後断裂もみられる20)などの欠点が指摘され,批判的な意見が多い,これに比して合成線維網は一般に組織への刺激が少く.広く優秀な成績が報告されてきており,今日では補填材料の第一に挙げられているといつてよい.さらに最近,Usher (1958)20)-22)はPolyethylen (Marlex)製me-shを実験ならびに臨床に使用し,以上各種の線維に優る成績を発表している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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