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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻3号

1963年03月発行

文献概要

手術の実際

Whitehead手術後の粘膜脱出

著者: 木村忠司1 石上浩一1

所属機関: 1京都大学医学部外科

ページ範囲:P.371 - P.375

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 Whitehead手術(以下W氏手術と記載)は痔核が肛門の全周に簇生している場合,最良の根治手術であると確信しているが,他の肛門外科手術に比較してはるかに繊細な手技を必要とするためか術後に種々なる後遺症を残すとして敬遠され勝である.その中でも術後の粘膜脱出はいわゆるWhitehead's anusなる汚名を着せられている仕末で,これは不用意な予備知識が放つた悪評であり創案者自身のためにも,肛門外科の進歩のためにも本法を誤りなく行う手技を習得してほしいと願うものである.
 著者は腸鉗子を用いて縫合線の均等化とその間の出血を防止する方法を考案し,この変法をすでに20年近く行つているが,未だに一例も再手術を要したことはない.しかしこの手術には人による巧拙があり,結果に著しい差異のあることは事実で,それがまた一つの欠点といえる.私見として本法は一般の胃腸手術を容易にこなし得る外科的手技を身につけた人でなければ行つてはならぬと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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