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研究
悪性腫瘍の化学療法に対する低体温法の応用
著者: 辻公美1 塚崎鴻1 林源信1 於保健吉1 千葉上1 菊田一貫1 千葉彰彦1 早田義博1 篠井金吾1
所属機関: 1東京医科大学外科教室
ページ範囲:P.501 - P.509
文献購入ページに移動現在の癌の治療は外科的療法にせよ,放射線療法にせよ,転移という問題の解決において,一つの大きな壁に当つているのであるが,その解決策としては化学療法の完成を待望する以外にない.癌に対する化学療法は確かに目ざましい進歩をとげてはいるが,治療成績は必ずしも満足なものではない.
元来,抗腫瘍剤は腫瘍細胞に作用すると同時に正常細胞に対しても影響を及ぼし,その較差の少いものでは使用に堪えなくなる期間が短縮される.従つて腫瘍細胞と正常細胞の感受性の較差を大きくするよう,なんらかの工夫を加え,化学療法の効果増強を計らねばならない.その方策として,腫瘍細胞をして,抗腫瘍剤に対する感受性を亢めさせる手段を探求する必要がある.
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