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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻4号

1963年04月発行

手術の実際

血管補綴修復術(Patch-angioplasty)による血管再建術

著者: 大原到1 高橋希一1 大内博1

所属機関: 1東北大桂外科教室

ページ範囲:P.510 - P.516

文献概要

 血管外科の対象として取扱われておる疾患は主として動脈瘤および末梢血行障害であるが,この他に,この2,3年来種々の臨床症状が臓器の乏血状態によつて惹起されることが判明し,場合によつては乏血の原因となる動脈の狭窄,あるいは閉塞を除去して臓器の血流状態を改善することにより症状が寛解することが明らかにされつつある.
 例えば内頸動脈や椎骨動脈の狭窄または閉塞性変化によりいわゆる脳卒中様発作,すなわち一過性の運動不全麻痺や,言語障害または眩暈,視力減弱等が起きるが,手術によりこれ等血管の狭窄部位を是正して脳血流を増加せしめることによりかかる発作が消失する1)2)3).先天的あるいは後天的な変化が腎動脈に起こり動脈内腔が狭められた場合,これがいわゆるGoldblatt型腎性高血圧の原因となり,これに対して腎血流量を増す手術により,永久的な降圧作用を認めることができたという報告が次第に増してきた4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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