icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻5号

1963年05月発行

講義

縦隔腫瘤

著者: 小平正1

所属機関: 1東邦大学医学部外科

ページ範囲:P.652 - P.661

文献概要

 私が小平です.先日篠井教授が私共の学校に来られて,先生の最も得意とされている肺癌について有益な講義をして下さいまして,学生諸君も非常に喜びました.私共の学校には,胸部外科という部門は特に独立しておらないので,私が一般外科の一部として行なつておるわけで,篠井先生のように,この方面の造詣の深いお話をすることはできません.それで今回は普段うちの学生諸君に話している調子で皆さんにお話をすることにいたします.
 まず,ここにあるレントゲン写真を皆さんと一緒に見ましよう(第1図).この写真のどこに病変があるか,それはどなたにもすぐわかることだと思います.すなわち,縦隔の右の中央部が異常に突出しているのが見られます.この1枚の写真を以てこれがどういう病気だろうか,と皆さんに聞いてみたいと思うのですが,するとなんだ1枚の写真だけで何が判るものかといわれることと思います.しかし,このいかも特徴的な縦隔の突出は,やはり縦隔腫瘍だろうと思うのが,普通一般の考え方だろうと思われます.そこでこの例をなかば左の方から,すなわち第2斜位から写した写真を見ましよう(第2図).すると先刻の縦隔の突出陰影は縦隔の前方に移動して見られます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら