icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻6号

1963年06月発行

論説

輸液の必要性

著者: 小出来一博1

所属機関: 1順天堂大学第一外科

ページ範囲:P.735 - P.741

文献概要

〔Ⅰ〕はじめに
 輸血に関連した諸問題に付属して輸液の必要性について,総説的に述べよとのことであるが,輸液が外科方面で本格的に取り上げられたのは第二次大戦後である.その頃東大第二外科において,福田教授より「水分代謝の研究」というテーマを裁き,由来輸液—栄養輸液と研究を重ねてきた著者は,輸液の必要性ことに手術前後の輸液の必要性の認識の普及が,今日のごとき手術の安全性,適応の拡大をもたらした1つの原因と考える.
 われわれが医局に入った終戦直後には,重症患者においてのみ,リンゲル氏液,ブドウ糖は使用されるものであり,一般患者には今日のごとく普遍的には輸液が行なわれていなかつた.併し外科領域における水分・電解質代謝を始め諸代謝の解明により,今日では輸液の必要性は最早常識となつているが, この細部に亘つてはなお問題がある.例えば輸液と経腸補給との問題—すなわち蛋白源であるアミノ酸は経皮的にやるか,経腸的にやるかの問題等は医師個人の嗜好によりなお議論の存するところである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら