icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻6号

1963年06月発行

論説

胃切除後のPostcibal Syndrome

著者: 高山坦三1 野崎成典1 戸田英男1

所属機関: 1札幌医科大学外科

ページ範囲:P.761 - P.770

文献概要

1.はしがき
 胃切除後しばしば食餌摂取と関連した一連の不快な症状のおこることは,古くから注目され,患者はもちろん医師をも悩ますものであるが,術前の前準備,麻酔法の発展,抗生物質の出現等により胃手術の直接死亡率がいちじるしく低下したので症状の軽度のうちに手術をおこなう傾向が普及してくるに伴い、ときには術前の愁訴以上の苦痛になりうるこれらの後遺症は,とくにわれわれ外科医の関心の対象となるものであつて,これをいかに予防し,いかに治療するかということが,手術をおこなう立場にとつてまたひとつの重要な課題のひとつとなつたわけである.
 この胃切除術後の障害は,Jonas (1908)が食餌摂取後の不快症状を訴えた例を記載したのにはじまり,Hoffmann (1912)はX線透視上残胃より小腸への急速排出を認め,その後Hoffmann (1922)はこの不快症状に対してapylorische Stürzentle-erung mit Splanchnicusschockと称したが,同年MixがDumping Syndromeなる語を使用してから広くこれが愛用されるようになつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら