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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻6号

1963年06月発行

文献概要

アンケート

ケロイド—多発,ことに大きいケロイドの治療法

著者: 内田準一1 藤田恵一2

所属機関: 1丸ビル整形外科医院 2自衛隊中央病院形成外科

ページ範囲:P.815 - P.817

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(1)再発ケロイドの大きさが切除,縫合でき得る程度の場合.
 再発ケロイドは一般に縫合糸痕もケロイドとなるため,電柱状の形となる.この場合縫合糸痕を全部含めて紡錘形に切除すると(第1図),創面張力が大きいので縫合が困難で,かつケロイドを再発し易い.そこで第2図のごとくジグザグ状切開縫合を行なうと,創面張力をある程度減少させ得る.ジグザグ切開の方向は創面張力が最も弱くなる方向に作るのである.
 かくしてケロイドを切除縫合してから,術後24時間目に抜糸して同時にレントゲン照射を開始するのであるが,このさいただ抜糸したのでは創面が哆開するので,コロヂウムガーゼを用いて哆開を防ぐ.その方法としてはまず創の両側にガーゼの耳を創縁よりに向けて置き(第3図),このガーゼにコロヂウム(昭和エーテル)をしみこませる.この2枚のガーゼの耳を糸で縫合する.このガーゼ縫合により創面を完全に減張させて哆開を防ぎ抜糸する.その日から直ちにレントゲン照射を開始する.その条件は深部を照射しないためにソフテックスの軟線レントゲン装置を用うるか,または低電圧で普通の表在治療用レントゲン符を用いて照射する.照射条件は60kV,Al/mm Filt.焦点皮膚間距離16cm,1回200γずつ,合計3000γ〜4200γを照射する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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