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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻8号

1963年08月発行

検査と診断

救急患者の臨床検査

著者: 藤田五郎1

所属機関: 1自衛隊中央病院

ページ範囲:P.1053 - P.1056

文献概要

はしがき
 "救急医療対策"の強化が叫ばれている.救急患者の診療能力の増強は,種々な社会状勢からみて当面の急務であるけれども,その一部をしめる"緊急臨床検査"もまた注目されなければならないものであろう.
 日常の診療にさいして,急に臨床検査が必要となることは少なくない.たとえば腹痛の患者の白血球数やジアスターゼ値を求めたり,緊急手術をする患者の全血比重,出血時間,凝固時間を測つたり,輸血の必要なときに血液型を検査したりすることなどは従来からどこにおいても行なわれている.しかし,緊急検査の項目は近代的医学の発展とともにいちじるしく増加してきている.たとえば糖尿病昏睡患者について血糖値の概略を求めたり,脱水状態で入院してきた患者の残余窒素(NPN)あるいは尿素窒素を測つたり,緊急手術を行なうようなさいに循環血量を測定したり,心電図やX線撮影さらには迅速組織検査を行なつたり,輸液療法を開始するにあたつて血清電解質を測定することなどは緊急時に必要とする最低の検査事項となつてきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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