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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻8号

1963年08月発行

文献概要

症例

猫ひつかき病と思われる6症例の経験

著者: 加藤出1 南武1 青木三郎1

所属機関: 1日本大学医学部第一外科教室

ページ範囲:P.1075 - P.1079

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緒言
 猫ひつかき病は1950年仏国のDéfreによつて初めて"La maladie des griffes de chat"として発表せられた.以来欧米においては相当多数の発表がある.本症は,多く猫にひつかかれたのちに起る無菌性リンパ腺腫がその主徴であり,したがつて猫と接触の機会の多い小児,子供,婦人などに多い疾患である.わが国においては,昭和28年9月,浜口長野両氏によつて初めて本症の報告をみたが,その後いまだ数例の報告をみるのみである.最近われわれは、猫ひつかき病と思われる6症例を経験し,その5例についてはリンパ節の摘出を行つて組織学的,細菌学的検索を行い,いささか知見を得たので報告する.なお決定的診断とせられる皮内反応については,膿汁が得られなかつたので,リンパ節をすりつぶして,生理食塩水を加え,滅菌後得た上清液を用いて施行したが3例は陰性であつた.その点ではわれわれの症例はその診断が不十分な感がある.しかし組織学的検査,細菌学的検査の結果は本症に一致したのであえて報告するしだいである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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