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文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻9号

1963年09月発行

検査と診断

慢性胃炎の内視鏡診断における問題点—胃カメラ,切除胃,生検による検討

著者: 城所仂12 竹添和英12 大原順三12 永井正見12 鵜川四郎12 寺田良平12 城島嘉昭12 八木茂久12 石藤孝太郎12 須川暢一12

所属機関: 1東大分院外科教室 2東京大学

ページ範囲:P.1206 - P.1212

文献概要

 慢性胃炎の問題について肉視鏡の立場から検討を加えたのはすでに古いことである.1944年Schindlerは胃以外の疾患による開腹例に対し,手術前胃鏡検査を行ない開腹時胃壁の試験切除を行なつて,正常および原発性慢性胃炎の胃鏡所見と組織所見とを対比している.
 こうして慢性胃炎の3つの型すなわち表層性胃炎(chronic superficial gastritis),萎縮性胃炎(chro-nic atrophic gastritis)および肥厚性胃炎(chronic hypertrophic gastritis)についてそれぞれに詳細な病理組織学的所見の裏づけを行なつた.彼の業績はその著書「Gastroscopy」にまとめられ今日なお肉視鏡学者のバイブル的な存在となつている.これに対しては後日幾つかの矛盾が指摘されて来ているが,それはあく迄内視鏡の立場を主体とするか,組織学的な立場を主体とするかによる見解の相違であり,少なくとも内視鏡が表面の変化を問題とするのに対し慢性胃炎は深さをもつた変化であることが根本的に異なることを考えても,内視鏡所見と組織所見が厳密に一致するということは難かしい問題であつて今後なお年数をかけて解決さるべき問題であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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