icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科18巻9号

1963年09月発行

アンケート

気管支拡張症—症状の多い両側性気管支拡張症(先天性,後天性)の治療

著者: 篠井金吾1 高橋喜久夫2 宮本忍3 古城雄二4

所属機関: 1東京医科大学外科 2徳島大学医学部外科 3日本大学医学部外科 4国立東京療養所

ページ範囲:P.1231 - P.1233

文献概要

 両側性気管支拡張症の中では先天性のもので,乾性型あるいは無症状型のものが時としてみられる.このようなものは原則として手術の必要はない,他の大部分は拡張部の感染によつて炎症症状を示す.したがつて気拡症の内科的治療は感染を除去することにあるが,それによつて一次的に症状は消失しても,完全な乾性型にならない限り再燃を繰返し,種々な合併症を生じ,遂には肺性心を起し死亡することが多いので外科的療法の対象となるものである.一般的に内科的療法でも外科的療法でも治療に際しては病巣の拡がりを正確な造影で知らねばならない.気拡症の病巣の拡がりは種々雑多で,1側に限局するものは約半数で,他のものは両側性である.両側性の場合の病巣の拡がりを調べてみると,1.両側1区域に限局するもの,2.両側—肺葉に限局するもの.3.一側は区域性,他側は1肺葉に限局するもの.4.一側は1葉以内に限局,他側は多区域性.5.両側多区域性などの組合せがある.これらの中で1〜3までのものは心肺機能および全身状態を慎重に考慮すれば切除の適応となるものが多い.
 両側気拡症に対して切除療法を行なう場合に問題となる点は,左右副肺機能検査により先行術側を決定する必要があり,手術に当つては,術前に分泌物の減少を計り術中の分泌物処理の対策を十分たてておく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら