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文献詳細

雑誌文献

臨床外科19巻1号

1964年01月発行

COMMENT

手術麻酔管理の重要性

著者: 山下九三夫1

所属機関: 1国立東京第一病院

ページ範囲:P.107 - P.108

文献概要

 数年前の医師国家試験に全身麻酔と脊椎麻酔と局所麻酔の何れがもつとも安全であるかという問題が出てその模範解答に窮したことがある.出題者の正解は何であつたかは知らないが"解答不能"か,"何れも同じ"というのが正解であつたかもしれない,Waters & Gillespie(1944)の報告でも各麻酔法の死亡率は吸入麻酔0.100%,静脈麻酔0.127%,脊椎麻酔0.139%,局所麻酔0.106%で母集団が多くなると死亡率は何れも0.1%近くにしぼられて来る.しかし私はこの1,000名に対し1名の死亡は氷山の一角で1名の死亡のかげには10名の重篤者,100名の要注意者があるに相違ないと思う.幸い患者は自ら生理的に代償してくれるので,見かけ上は無事手術が終了したまでのこととも考えられるので新しい手術管理の方法とは,第1に不注意による事故を完全に防止し,第2に今まで曖昧にされていた患者の病態生理を術前および術中術後に亘り時々刻々に把握し,第3に万一事故が起った時も何より早くこれに対処するということにある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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