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文献詳細

雑誌文献

臨床外科19巻1号

1964年01月発行

症例

痔核に対する注射療法の危険性について

著者: 弓削静彦1 山内胖1 山田勝義1 福久由光1 馬場繁行2

所属機関: 1久留米大学医学部脇坂外科教室 2久留米大学大学院

ページ範囲:P.128 - P.132

文献概要

いとぐち
 直腸肛門疾患,とくに痔核に対する薬物注射療法は古くから行なわれている方法であり,本法による治癒例も決して少ないとは思われない.しかし反面,本法による合併症や後遺症のため苦悩した患者も必ずしもまれとはいえない.これらは,患者の希望するがままに適応の選定が十分でなかつたものや,注射手技が誤まられたものもあろうが,一方には,これ等の注射療法を用いている人々の多くが,父子相伝の法として公開を拒む傾向にあることも一因をなしていると思われるし,このようなことが注射療法の進歩,ひいては直腸肛門病学の進歩を阻害しているとも考えられる.私共は脇坂外科教室過去10年間における直腸肛門疾患について統計的観察を試みたところ,注射療法による合併症または後遺症と思われる38例を経験したので,その概要を述べると共に,本法に対する私共の考えをも述べておきたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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