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文献詳細

雑誌文献

臨床外科19巻10号

1964年10月発行

論説

鎖肛手術の検討—(第2報)瘻孔を有するもの

著者: 伝田俊男1 勝俣慶三1 森末久雄1 秋山洋1 遠藤大滝1 一色昇1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科学教室

ページ範囲:P.1319 - P.1329

文献概要

 肛門直腸部の先天性形成異常(鎖肛)の頻度は,欧米の文献では約5000人に1人,本邦では三谷1)は3430人に1人,小畑2)は3200人に1人と述べているが加藤3),赤岩4),星井5),木村6),飯田7)らの古くからの報告例でも欧米に比べてはるかに少ない.しかし最近若林8)は3年間108の大病院で167例の手術例を集計し,石田9)は15年間に30例を報告している.われわれ慶大外科教室においても31年1月より37年12月までの7年間に21例を経験したことからも,本邦においても必らずしも少ない疾患ではないと考える.従来鎖肛の手術はただ,排便口をつくるということに専念して行なわれ,患児の将来に対しての考慮が少なかつた.しかし最近とくに小児外科の進歩とともに注目され排便口を作るという目的ばかりでなく,一生正常の排便機能を営み得るように種々の努力がはらわれてきている.本症では肛門部以外に排便口(瘻孔)を持つものと,持たないものではその治療上に大きな差がある.後者については前回10)報告したので今回は慶大外科で経験した鎖肛症例21例(第1表)中瘻孔のないもの6例をのぞいた瘻孔を有するもの15例について検討を加えてみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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