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文献詳細

雑誌文献

臨床外科19巻10号

1964年10月発行

外国文献

チンパンジー腎をヒトへ,他

ページ範囲:P.1424 - P.1427

文献概要

 移植免疫問題がうるさくなつてからは腎異種移植という報告はない.本報はTulane大学外科内科泌尿科微生物科共同の研究だが,この種の異種移植はほぼ同じころColorado大学でも行なわれた.さて患者は43歳男,高血圧で腎硬化症となり尿毒症に陥つたが,腎をくれる人がいない.そこでazathioprine,プレドニソロン,actino-mycin Dを1週間与えて免疫抑制をしておいて,41kgチンパンジー(Adam君)から腎をもらうことにした.Adamのクレアチニン清掃80ml/min.,全麻,30℃に冷却,ヘパリン注,両腎,尿管,大動脈,大静脈を一塊としてとる.患者の右腸骨窩で腸骨動脈とAdam大動脈,腸骨静脈とAdam大静脈を端側吻合,尿管は別々に膀胱粘膜下にトンネル埋植.阻血時問39分.吻合終了10分で尿出はじめる.最初の24時間で7200ml,クレアチニン清掃は術前3.7,術後78ml,第4日まで好調,ここで39.5℃発熱し,尿減り,リジェクションの徴あらわる.移植腎照射200γ,azath,プレドニソロンactinoを増加す.24時間後に尿増加し,リジェクションの徴さる.患者はA1,ccDee,M型,AdamはA1,2,cD-,M型.リジェクションの徴の出たとき患者血清中のAdam赤血球hemagglutinin titer 1024倍にまで達したが,リジェクション症状さると,titer 128-256に低下.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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