文献詳細
論説
胃癌の治療成績向上の方策
著者: 卜部美代志1 山本恵一1 高野利一郎1 宮崎誠示1 竹森清和1 渡辺洋宇1 河崎哲朗1 奈良高明1 三浦将司1
所属機関: 1金沢大学医学部第一外科教室
ページ範囲:P.1471 - P.1482
文献概要
胃癌の治療は古い問題であつて,またいつも新しい問題となつている.それは,胃癌の治療が,まだ全く解決されていないということと,癌の病理学が少しずつではあるが常に進歩しているためである.
ここに検索の対象となつた症例は,私どもの教室においてある時期にとり扱つた胃癌463例であるが,そのうち,いわゆる早期癌は16例(4%)を占めるだけで,その他の症例は進行癌でこれは圧倒的に多いのである.しかも,胃癌研究会規約案による組織学的治癒手術を行ない得たものは約30%で,過半はstage II以上の進行した症例によつて占められている(第1表).
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