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文献詳細

雑誌文献

臨床外科19巻12号

1964年12月発行

MEDICAL Notes

喪塩性腎炎,他

ページ範囲:P.1704 - P.1705

文献概要

 Thorn (New Engl.J.Med.231:76, 1944)が2例の高窒素血症患者で,副腎皮質ホルモンに反応せず,食塩投与で症状軽快する独立疾患として記載してから,salt-losing nephritis, saltlosing syndrome, salt-wastingrenal disease, Thorn症候群などとよばれて来ており,最近のHughes (Arch.int.Med.114:190, 1964)までに30例の文献報告がある.尿のNa喪失が大で,食事摂取量(NaCl 10〜20g/24h)をはるかに上回つていると,低Na血症,脱水,高窒素血症,衰弱,悪心嘔吐などの症状を呈してくるのを指している.文献30例は男21,女9.年齢12〜70,平均36.半数は診断確定前に多尿夜尿があつたが,腎傷害を示唆する蛋白尿・尿路結石・尿路感染は1/3に証明されたにすぎない.男子症例の1/3は胃炎・潰瘍の症状あり,数年間多量のアルカリ投与をうけている.この点はCheyne (Lancet1:550, 1954),Peterson (Med.Cl.N.Am.260:210, 1959),Knowles (Am.J.Med.22;158, 1957)らも強調している重要な既往で,外科家も軽軽に看過してはなるまい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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