icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科19巻12号

1964年12月発行

文献概要

外国文献

古くなつたテトラサイクリン,他

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.1706 - P.1708

文献購入ページに移動
 テトラサイクリン投与でBUN増加・悪心・嘔吐を見ることがある.Shils (Ann.Int. Med.58:389, 1956)によるとテトラガ蛋白のアミノ酸取り入れを阻害するという.尿素がクレアチニン・尿酸より著明にふえる.またテトラはリボフラビン系酵素を阻害するという説もあり,尿にヒスチジン・トリプトファン・スレオニン排泄の増加することがある.さて,すでに日限をすぎ,古くなつたテトラを内服し,Fanconi症候群に一致する代謝性アシドージスを呈し,ついに昏睡に陥つたという症例がGross (Ann.int.Med, 58:523, 1963),Frimpter(JAMA 184:111, 1963)によつて報ぜられたが,また,Wegienka (Arch.int.Med.114:232, 1964)によつて追加された.その主障害は尿細管の〔H〕排泄不全にあり,HCO3再吸収,NH3産生,HPO3不全はない.症状が去つても尿細管障害は長く残るようで,数ヵ月は異常がつづくと見た方がよい.古くなつたものは用いないこと.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?