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文献詳細

雑誌文献

臨床外科19巻12号

1964年12月発行

文献概要

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あとがき

著者: 島田信勝

所属機関:

ページ範囲:P.1712 - P.1712

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 昭和39年もいよいよおし追つて極力を迎えた.まさに1年の総決算の時期ともいうべき時である.ふり返つてみると文字通り多事多忙のうちに,またたくまに1年の歳月を費した感じがするが,この間にあつて医学の進歩は相変らず目ざましい多種多様な歩みを続けてきた.近頃外国の学会や先進国の大学教室を訪れて感ずることは,地味な研究に多方面の専門家が協力して没頭していることである.例えば臓器移植の問題にしても,稍々もすると外科医は移植術の外科的面にのみ専念したがる傾向がないではないが,その前に自己免疫,一同種免疫等の基礎的理念の研究に各国が大きな努力を払つていることを忘れてはならないと思う.とかく外科医は切つたり,はつたりの派手好みをモットーとし,或いはそのような批判を受けることが多いが,外科学の進歩は矢張り真理の基盤においてなされることを常に心がけておく必要があろう.
 ところで今月は外科と保険診療という多少風変りな特集号である.臨床外科という本誌の使命から考えれば,我が国における保険診療の現状よりおして,当然検討さるべき問題であろう.幸い武見会長始め多数の関係者がそれぞれの立場から執筆下さつたので,大いに熟読玩味して頭のチリを払い落し,新しい見地からその改善に努力していただきたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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