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肺癌の低ナトリウム血症,他
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ページ範囲:P.394 - P.395
文献購入ページに移動 肺瘤患行で著しい低Na血症を呈したという例はWinkler (J.Clin.Invest.17:1, 1938)にはじまるが,最近のThorn (Am.J.Med.35:257, 1963)までに9例ほど報告されている.Winklerから19年おくれて本症候群に注目したSchwartz(Am.J.Med.23:529,1957)が,本症の低Na血症が下垂体の抗利尿ホルモン(ADH)の"inappropriate"な分泌にもとづくであろうことを提唱している.Schwartzの先述の論文およびNew Engl.J.Med.262:743,1960には,症状と検査所見とがくわしく報ぜられている.9例すべて肺癌に限られ,水分摂取の多い時には水分貯留が異常につよく,したがつて血液は稀釈し,血清滲透圧低下し,Na濃度が低くなる.このように血清が低張になっても,なおかつ,高張尿(わずかに低張尿のこともある)を排泄し,腎のNa貯留能がない.Naがこのように腎から失われるが,水分は失われないから,脱水・循環量減少・低血圧になることがかい.こうしてNa濃度が115mEq/l位になるまで何らの低Na血症状を呈しない.それ以下にNaが低下すると水中毒様症状になる.
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