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特集 癌の治療成績の向上
胆道癌
著者: 秋田八年1
所属機関: 1鹿児島大学医学部第二外科教室
ページ範囲:P.595 - P.601
文献購入ページに移動はじめに
著者は以前本誌1)(臨床外科,16,699-707,昭和36年8月)に九州大学三宅外科教室における10力年間と鹿児島大学第2外科教室の2カ年間の100例(膵頭部癌を含む)の集計をもとに胆道癌についてその概要を論じたことがある.
その時点でえられた外科治療の面からの結論的なものを拾うと概ね以下のようなものであつた.胆嚢癌については,すでに,胆嚢を含む肝右葉切除というような積極的な術式が登場しているが,その評価は不明で,なお,一般的に症状を臨床でつかめたような場合の胆嚢癌の予後はきわめて悲観的であつた.したがつて,胆嚢癌については,その予防に重点が置かるべきであるという考え方が支配的で,多くの外科医により胆嚢癌の母地とみなされる,慢性胆嚢疾患,なかんずく,胆石症に対し,より積極的に選択的胆嚢摘出術を行なうことが推賞された.
著者は以前本誌1)(臨床外科,16,699-707,昭和36年8月)に九州大学三宅外科教室における10力年間と鹿児島大学第2外科教室の2カ年間の100例(膵頭部癌を含む)の集計をもとに胆道癌についてその概要を論じたことがある.
その時点でえられた外科治療の面からの結論的なものを拾うと概ね以下のようなものであつた.胆嚢癌については,すでに,胆嚢を含む肝右葉切除というような積極的な術式が登場しているが,その評価は不明で,なお,一般的に症状を臨床でつかめたような場合の胆嚢癌の予後はきわめて悲観的であつた.したがつて,胆嚢癌については,その予防に重点が置かるべきであるという考え方が支配的で,多くの外科医により胆嚢癌の母地とみなされる,慢性胆嚢疾患,なかんずく,胆石症に対し,より積極的に選択的胆嚢摘出術を行なうことが推賞された.
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