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文献詳細

雑誌文献

臨床外科19巻6号

1964年06月発行

文献概要

グラフ

開頭術の実際

著者: 竹内一夫1

所属機関: 1虎の門病院・脳神経外科

ページ範囲:P.716 - P.723

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 頭蓋内の腫瘍・血腫・血管奇型・膿瘍などを外科的に治療せんとすれば,どうしても開頭術が必要である.開頭術の歴史は古く,古代エジプトやインカ時代にも種々の目的で行なわれていたようであ.もちろん現在では世界中の到るところで脳外科医によつて開頭術が行なわれている.
 開頭術はあたかも缶詰をあけるようなものである.上手にあければ何でもない缶詰も,缶切がなかつたり,一旦あけそこなうと,どうにもならなくなり,指を怪我したり,ついには中味を食べられなかつたりすることさえある.開頭術も同じで,順調にできれば,短時間で目的を達することができるが,時には開頭するだけで数千ccの出血を招くこともあるし,手技拙劣のため硬膜や脳に致命的な損傷を加えてしまうことさえある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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