icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科19巻6号

1964年06月発行

文献概要

特集 外傷の救急処置

胸部外傷の救急処置

著者: 宮本忍1

所属機関: 1日本大学医学部第2外科教室

ページ範囲:P.739 - P.743

文献購入ページに移動
はじめに
 胸部外傷が四肢,腹部,頭部などの外傷と根本的にちがう点は,胸部には呼吸循環をつかさどる心,肺,大血管などの重要臓器があることである.これらの重要臓器は胸廓によつて保護されてはいるが,強い外力で打撲や圧迫を受け,または鋭利な刃物で刺創を受けると間接または直接の損傷を発生する.たとえば,肋骨骨折は骨損傷としては軽いものであるが,血胸や気胸を発生すると致命的な呼吸循環障害がひきおこされる.これは胸廓という骨性の保護機構がかえつて災いするためである.また心膜内の出血は200ccの少量であつても急激に発生すると.心タンポナーデといわれる状態になり,生命の危険を生ずる.
 胸部外傷は便宜上,次の3種類に分けることができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?