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特集 外傷の救急処置
四肢外傷の救急処置—創傷処置とCrush syndromeについて
著者: 天児民和1 小林晶1
所属機関: 1九州大学医学部整形外科教室
ページ範囲:P.749 - P.756
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近時産業災害および交通事故の激増にともない,外傷患者をとりあつかう機会は非常に増加している.外傷患者を最初にとりあつかう医師の処置如何によつて患者の予後が異なつてくるのは当然であるが,ことに一刻を争う外傷患者の場合は,理論的にははつきりと体系づけているつもりでもいざ行なう段になると,とまどう場合が生じてくる.外傷患者でショック状態にあるものではその対策をたて生命に対する危険を取り除くことはもちろんであつて,これに対する手段は現今ではほとんどの病院において行なわれ普及しているように思われる.またこれに関する文献も枚挙にいとまがない.したがつてこの小論においては,ショック対策や患肢の固定などの事柄は他にゆずつて,一般外科医が是非心得るべき四肢の創傷の処置と,われわれの教室でここ数年来研究を行なつてきたcrush syndromeについて少し触れたい.
近時産業災害および交通事故の激増にともない,外傷患者をとりあつかう機会は非常に増加している.外傷患者を最初にとりあつかう医師の処置如何によつて患者の予後が異なつてくるのは当然であるが,ことに一刻を争う外傷患者の場合は,理論的にははつきりと体系づけているつもりでもいざ行なう段になると,とまどう場合が生じてくる.外傷患者でショック状態にあるものではその対策をたて生命に対する危険を取り除くことはもちろんであつて,これに対する手段は現今ではほとんどの病院において行なわれ普及しているように思われる.またこれに関する文献も枚挙にいとまがない.したがつてこの小論においては,ショック対策や患肢の固定などの事柄は他にゆずつて,一般外科医が是非心得るべき四肢の創傷の処置と,われわれの教室でここ数年来研究を行なつてきたcrush syndromeについて少し触れたい.
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