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講座 外科領域
小児外科における水分電解質の問題(その3)
著者: 石田正統1 沢口重徳1 大部芳朗2
所属機関: 1東京大学木本外科教室 2東京大学小児科教室
ページ範囲:P.782 - P.789
文献購入ページに移動1.Kの分布
前講にのべたNaはその大部分が細胞外域に存在し,細胞外液陽イオンの90%以上を占めるのに対し,Kはその大部分が細胞内に存在する.既述のごとく体K量は新生児45mEq/kg,成人55mEq/kgで年齢的差異は比較的少ないが,分布はやや異なり新生児ではその約60%が筋肉に,20%が脳に,残りが細胞外液,骨その他に分布する.これに対し,成人では約80%が筋肉に,残りが脳,細胞外液,骨その他に存在している.これら体Kの大部分は放射性同位元素K42により速かに交換される35).
KはMg,燐とともに細胞の主要構成電解質であり,また細胞内外の滲透圧および酸塩基平衡維持,細胞内代謝ことに酵素反応,神経筋機能などに重要な役割を演じている.
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