icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科19巻7号

1964年07月発行

文献概要

Medical Notes

新しい奇形,他

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.986 - P.987

文献購入ページに移動
 染色体には異常がみいだしえないが,小頭症・精薄・hypertonicity・発育障害・短かく上向きの鼻・上顎歯槽突起縁ひろく・下顎小・外性器未発育・手掌溝水平・Ⅲ指短小・多指症痕跡・趾Ⅱ Ⅲ合趾・metatarsus adductusその他の奇形を呈する3症例(たがいに近縁関係ないがSmith (J.Pediat.64:210,1964)によつて報告された.その1例の同胞が1名同じ奇形で死亡しているそうで,つまり4例みつかつたことになる.もう一度くりかえすと,身体および中枢神経の発育不全,小頭,顔面異常,性器未発育,指趾奇形を特色とし,食事摂取がうまくできず嘔吐たどあり.染色体は46本で異常がない.予定日またはおくれて生れ,誕生時の体重,身長は平均なみだが,生後の発育は平均よりずつとおくれる.これは食事(母乳・ミルク)摂取がうまくいかないから低栄養であるということも関係している.精神発育はすでに胎内でおくれており,fetal activity開始がおそい.ミルク摂取がうまくできない.muscular hypertonicityがある.1例は死後剖検しえたが,小頭症というほかには中枢に異常はない.嘔吐はしばしばくりかえし低栄養となるが,2例には嘔吐の原因となるpyloric stenosisがみとめられ,その1例は手術的に狭窄を除去したが,なお嘔吐があり,とくに気道感染の際につよかつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?