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文献詳細

雑誌文献

臨床外科19巻8号

1964年08月発行

文献概要

グラフ

縦隔に入る胸骨縦切断の後心血流遮断の紐を通す手技

著者: 織畑秀夫1 新井達太1

所属機関: 1東京女子医科大学

ページ範囲:P.1001 - P.1007

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 開心術では縦隔に入る方法としての胸骨縦切断については前回のグラフで示した.つぎに大切なことは心臓に出入する大血管に紐を通して,必要のときに血流を遮断する操作である.これによつて大出血を避け,同時に開心術の際に心腔内を無血にちかくすることができるので,手術の危険が大部のぞかれる.
 大血管の周囲に紐を通す操作はもつとも危険のあるところで,初期の頃,時々出血をおこさせて危険に陥つた例をみている.もし危険を最少限にしようとするならば,視野を十分に大きくして,紐を通す部位を指で触診し,かつ目でみながら手術できるようにすべきである.このため,胸骨を完全に離断するならば上大静脈大動脈および肺動脈等の根部がきわめて容易に処理できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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