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特集 脳・頸部・胸部の症例
一家系内に多発した単純性甲状腺腫について
著者: 的場直矢1 松橋賢次1 柴崎真吾1 佐藤定見1 和賀井啓吉2 芳賀昭2
所属機関: 1東北大学医学部葛西外科教室 2公立気仙沼病院外科
ページ範囲:P.1193 - P.1199
文献購入ページに移動甲状腺疾患の中,バセドウ氏病は時に同一家系内に発生することが経験されているが,一方いわゆる甲状腺腫地帯以外で,家族性に単純性甲状腺腫が見られることもBraim1),Thiem2),Friedlieb3)等により報告されている.わが国でも七条ら4)により,同胞内に発生した甲状腺腫症例が報告され,これらは甲状腺ホルモン合成過程に何らかの先天的欠陥が想定されるに至り,にわかに注目を集めている所である.私どもの教室でも十数年来,結節性甲状腺腫が多発している一家系に遭遇し,その診療に従事しているので報告したい.なおその1例は頭蓋骨転移を形成し,いわゆる転移性甲状腺腫の性状を示した点注目される.
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