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文献詳細

雑誌文献

臨床外科2巻1号

1947年08月発行

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胃・十二指腸潰瘍穿孔の原則的處置

著者: 東陽一1

所属機関: 1馬見原病院

ページ範囲:P.12 - P.13

文献概要

 胃・十二指腸潰瘍の急性穿孔の對策としてはその穿孔後の時期と全身状態から次の3つに分ちて考察するのが便利かと思ふ。即ち(1)穿孔後6時間以内,遲くとも10時間までで,全身状態もまだ比較的良好なる早期のものに對しては潰瘍部を含めた定型的廣汎胃切除がよいことは全國外科權威に伺つた質問に對する御解答25通のうち24通まで之に贊成であることからも,早期のものには胃切除が原則的處置といふことは決定的である。
 その反對に穿孔後24時間以上も經過し全身状態極度に不良なる晩期のものに對しては單にタンポンを挿入したり,穿孔口を腹壁に縫合したりして奇蹟的に成功をおさめてゐる人もあるが,かゝる場合の成績の向上は穿孔部の手術技術上の問題よりも腹膜炎といふ見地から全身状態を挽囘する劃期的方法の出現に期待をおくべく,此點ペニシリンは確かに一役を買つてゐると思ふ。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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