文献詳細
文献概要
臨牀例
空腸蜂窠織炎の1例
著者: 片岡一朗1 松井文英1
所属機関: 1日本醫科大學齋藤外科教室
ページ範囲:P.49 - P.52
文献購入ページに移動緒言
最近,腸管蜂窠織炎,急性局所性腸炎或は「クローン」氏病急性型等の症例相次いで報告せられるに及び,腸管蜂窠織炎との異同に疑義を生じ殊にその分類,命名亦區々不統一のな觀が免れない。併し乍ら,本疾患が古くから報告せられ諸家に依つて研究論義され乍ら,今猶ほ疑義があるのは,近來兩疾患の報告例が次第に増加してはゐるけれども,未だその數は少く,成因,臨牀診斷,治療等に關しても尚明確なものを見ないが爲である。
扨て,腸管蜂窠織炎の報告例を見ると,Rokitanski(1824)が"Enteritis submucosa suppurativa"と云ふ病理組織學的命名を附して報告しなものを嚆矢とし,Bamburger(1855)によつて初めて腸管蜂窠織炎と命名報告された。その後本邦でも吉田(1931),河村洪(1934)等に依り報告され,余等は本邦の文獻から腸管の肉眼的所見並に病理組織學的所見から明かに腸管蜂窠織炎として記載報告されておるもの31例を蒐集することを得た。
最近,腸管蜂窠織炎,急性局所性腸炎或は「クローン」氏病急性型等の症例相次いで報告せられるに及び,腸管蜂窠織炎との異同に疑義を生じ殊にその分類,命名亦區々不統一のな觀が免れない。併し乍ら,本疾患が古くから報告せられ諸家に依つて研究論義され乍ら,今猶ほ疑義があるのは,近來兩疾患の報告例が次第に増加してはゐるけれども,未だその數は少く,成因,臨牀診斷,治療等に關しても尚明確なものを見ないが爲である。
扨て,腸管蜂窠織炎の報告例を見ると,Rokitanski(1824)が"Enteritis submucosa suppurativa"と云ふ病理組織學的命名を附して報告しなものを嚆矢とし,Bamburger(1855)によつて初めて腸管蜂窠織炎と命名報告された。その後本邦でも吉田(1931),河村洪(1934)等に依り報告され,余等は本邦の文獻から腸管の肉眼的所見並に病理組織學的所見から明かに腸管蜂窠織炎として記載報告されておるもの31例を蒐集することを得た。
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