文献詳細
特集 外科と内分泌・1
〔外科の焦点〕外科と内分泌—副腎及び甲状腺疾患
著者: 三宅儀1 西村敏夫1 河野剛1 鳥塚莞爾1 日下部恒輔1 稲田満夫1 吉見輝也1 菅野泰1 江崎正1 多田敏明1 新保慎一郎1
所属機関: 1京大内科第2講座
ページ範囲:P.11 - P.20
文献概要
近年の内分泌学の進歩は,各種内分泌疾患の病態生理を鮮明し,その診断法に著るしい進展をもたらした.また薬物療法の進歩,アイソトープの治療面への導入によつて,従来主として外科療法に依存してきた内分泌腺機能亢進症にたいする内科的療法の発展が見られたが,また診断法の進歩は内分泌疾患の外科的治療に新らしい進展をも開いた.したがつて日常の診療に際し,内分泌疾患の正確な診断はもとより,その治療は外科的になすべきか,内科的になすべきかの適確な判断が必要とされる.
本稿では副腎疾患に関しては,主として著者らの経験した症例を中心に,Cushing症候群,原発性アルドステロン症,副腎性器症候群,クロム親和性細胞腫の診断および治療法の選択に関して述べ,甲状腺疾患に関しては,本院外科で手術された結節性甲状腺腫,甲状腺癌106例についていろいろ検索した成績を記し,これら疾患および甲状腺機能亢進症の治療方針を述べる.
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